政府が雇用主(企業)から給料を徴収して、それを政府が労働者に払うってのはどう?

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ちょっとした思いつきでしかないのだが、格差の拡大、超過労働やワーキングプアや失業、少子高齢化問題などを無知蒙昧なただの20代後半の僕が頭を捻ってみました。備忘録です。

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結局世の中カネだけど、カネがすべてでもない

冒頭で挙げたような問題ってとどのつまりカネがないってことに帰結すると思う。格差の拡大はその一端にカネが集まってしまっていることに由来する。超過労働やワーキングプアは雇用者が少ない粗利の中でやりくりしてしまった結果だろうし、失業はそもそも雇う余裕がないばかりにあぶれ出てしまった人々だろうし、少子化は子供を育てる経済的余裕や見込みが薄いからで、高齢化で問題になっているのはその介護費用だ。すべてカネの話なわけだ。

ただこのカネの問題はその総量が足りていない(生産能力が足りていない)ってことではなくて、ただ単にカネの巡りが悪いだけでそうなってしまっていると感じる。

我が国の生産年齢人口は7901万人(2015年)で前年は8017.5万人だ(統計局より)。そして、雇用者報酬は248.3兆円(2013年)(内閣府より)244.7兆円(2012年)で、年数がずれているのは僕の調査能力不足で申し訳ないのですが、2014年の生産年齢人口と2013年2012年の雇用者報酬で単純に割ると一人頭年300万円ほどになる。正直僕から見れば豪勢な生活はできないまでもそこそこ余裕のある暮らしができる金額だ。

となると、雇用主が給与を使用者に直接渡す現行制度をやめてしまって、一度政府が給料分吸い上げて、それを再分配すればいいのではないかと考えてみたわけだ。

所得再分配の概略

まず断っておきたいのは計画経済や共産主義ではないことということだ。政府が仕事それ自体に口出しはしない。するのは給料に関してのみだ。資本主義はそのまま維持される。

では内容だが、雇用者と労働者と政府の三者存在している。雇用者は労働者を雇用する。政府は雇用者(企業)に対して先の計算した平均一人頭約300万円(分配面のGDPで変化)を雇用した人数を掛けた金額を政府が給与税として徴収する。政府は労働者(労働している国民)に対し給与を支払う。つまり、給料の面で政府が一枚噛むという図式になる。

この拙い制度のメリット・デメリットを僕の脳内でブレインストーミングしてみたい。

メリット・デメリット一覧

    メリット

  • 貧困層の撲滅
  • 家計の安定性の向上
  • 内需の拡大
  • 格差の是正
  • 政府資金の増大
  • 政治への関心の高まり
  • 税制の簡略化・効率化
  • 出世主義の否定
    デメリット

  • 現在の富裕層のキャピタルフライト及び国外退去の懸念
  • 弱小雇用者負担の増大
  • 雇用非申告・捏造の懸念
  • 長時間労働深刻化の懸念
  • 政府の信頼性への懸念
  • 歳出庁の作業的負担の増大
  • 労働者の賃金上昇率の鈍化
  • 働く意欲低下の懸念

目立ったところではこの辺だろう。それぞれ見ていきたい。

貧困層の撲滅・家計の安定性の向上

このために考えた制度なのだが、働きさえすればどんな仕事でも別け隔てなく、一定の給料が政府を緩衝材として支払われる。現行制度よりも安定性に長ける。リストラなど辞め方次第で一定期間給料を支払うという整備を施せば雇用保険の代替にもなる。最低賃金が時給ではなく支給額で保証されるのも大きい。

内需の拡大

デフレ下では所得の余剰は貯金に回る。平均化することで若年層や貧困層の給与が上がるために現行よりもより多くの支出(需要)が起こる。余剰だったカネが生活必需品の購入という必要にカネ回るためだ。

格差の是正

政府の機能の一つとして社会の安定化がある。その使命を果たす一つの手段として格差の是正は考えねばならない。給与の再分配は力技ではあるが最も効果の高いものだろう。

政府資金の増大

所得の一部しか政府に入らない状態だが、一時的ではあるものの国民の所得240兆ほどが毎年入るのは大きい。より大きいパイを動かせばより大きな利益を生むことは周知の事実だ。国民に対する給料は円なので、最悪日銀が刷ればいい。

政治への関心の高まり

なぜ若者の政治への関心が低いか、なぜ老人が政治への関心が高いのか。それはひとえに直接カネがかかっているかどうかだろう。老人は年金で暮らしている。いやでも政治に関心をもつのだ。給料を政府が支払うとなれば給料をもらう世代もいやでも政治に関心が向かうだろう。給料のアップは政治にかかっているのだから。給料を平均で出しているということも非常に効果が高い。国民意識の高まりも期待できる。

税制の簡略化・効率化

所得税はなくなるだろう。収集した給与から必要な分を差し引いて給与として返還するからだ。システマティックに税の徴収分配が可能になる。

出世主義の否定

より良い大学を出てより良い企業に就職する。就職してもより給料の高い地位に駆け上るため内部抗争にその身を晒す。そんな出世主義の根本は給料の額面が起因している。給料を上げる手立ては我が国全体の成長に関わるとなれば働き方や意欲の矛先もより良い方向に変わってくるのではないだろうか。

現在の富裕層のキャピタルフライト及び国外退去の懸念

次はデメリットだ。現在優秀な人間が個人の能力如何でいくらでも稼げる可能性のある国外に退去する懸念は否めない。日本語という障壁と日本の豊かさというアドバンテージがどれほどそれを食い止めてくれるかは未知数だ。雇用者への配慮を促すことで稼ぎたい人間は起業するという道筋や慣習をどれだけ早く構築するかがこの懸念への対策になるだろう。

弱小雇用者負担の増大

雇用者は雇用した人数に応じて一人頭300万円年間で税として政府に納めることになる。巨大企業であれば給与として支払う金額が少なくなるだろうが、現行で賃金を切り詰めて経営しているような中小企業には給与が増額になる傾向にあると思われるのでかなりの負担になるだろう。特にベンチャーなどの新規事業者はかなり厳しい。これを支えるように新規事業者には一定年数の免除制度を設けるだとか優遇処置を行う必要が出てくるだろう。

長時間労働深刻化の懸念

一人頭の支出が決まってしまう以上、どれだけ一人の労働力で生産性を上げるかが雇用者の問題になるだろう。そのためより長い時間働かせることを強いる懸念がある。これを解決するには法的な保護の強化、労働環境の改善が急務となる。具体的には労基の強化であろうが、これは現行制度でもやって欲しい問題だ。

雇用非申告・捏造の懸念

雇用の申告によってその企業なり雇用者に対し徴収額が決まるため、雇用者数を偽る危険性は大だ。労働者側からの申告する制度を設け、それですり合わせる作業が必要になる。あとに語る歳出庁の作業負担の増大にも起因するだろう。合わせて厳罰を設けることによって非申告は相当のデメリットとしなければならないだろう。それでも解決されない懸念は残る。

政府の信頼性への懸念

政府が誠実に国内総生産などの統計をとり、それを国民の目に触れる形で発表するのか、これは最終的に我が国の政府への信頼によらねばならない。信頼は実績により積み上げられていくことである。透明性を担保するには相当な議論が必要になる。合わせて報道機関の審美眼にも期待しなければならない。国民の関心も高まらなければならない。

歳出庁の作業的負担の増大

8000万人の生産年齢人口の給料を配分する仕事はなかなかにヘビーだ。必然的に歳出庁は巨大官庁になるだろう。いかにシステマティックに作業を執り行えるかが焦点になるだろう。効率化は必須だ。あと、巨大官庁となることによって権力の増大が懸念されるがそれは副次的なことなので割愛する。

労働者の賃金上昇率の鈍化・働く意欲低下の懸念

なぜ、その会社で努力し懸命に働くのか、これは個々それぞれの思いがあるはずだ。その中で大きな位置を占めるだろうは賃金の上昇だ。この会社でなら頑張れば豊かな生活が待っているかも知れない。そういった思惑が人を努力させることは大いにあるはずだ。しかし、賃金平均化で働けど働けどということになってしまうだろう。そうすれば途端に人は怠け始めるのではないだろうか。雇用者側のマネジメント能力は一層試されることになる。

同時に愛社精神というものがある。この社長のためなら、この企業のためなら、はたまたこの商品のためならという職人気質も労働意欲を支える上で重要だ。それが愛国心に転化できるかは国民の気風次第だが、転化できない可能性も十二分に予想される。ここでいう愛国心はこの商品がどれだけ我が国にとって有用かを考えるということだ。なかなか難しいように感じる。

結論、結局僕の妄想でしかないけど、調整すればなかなかいいんじゃないかと思う

こういうこと考えだしのは、「この記事」とトマ・ピケティ騒動。あと労働環境の問題なんかに触れたからだが、やはり空理空論でしかないというのが、記事に起こしてみての筆者たる僕の感想だ。なにせ結局、日本のみんながそれがいい! と思わなければどんなによい案でも実現しないからだ。

一人300万円あれば共働きで600万円。子供の養育費も十分まかなえると思う。それに東京は家賃がバカ高いから同じ給料なら出費が少なく済むであろう地方・または大阪や名古屋や福岡のような第二都市への移住が促されると思う。それに合わせて企業の地方移転の優遇措置なんか施行すれば思いの外スムーズに移行できる気がする。

でも結局現在の状況を鑑みてみんなライフプランを組んでいるだろうから、300万円以上を稼いでいる人にとってはたまったものではない。こういう半ば革命的なことは暴力がない限り実現しないので、結局思考ゲームで終わってしまう。

でも、やっぱり現状はなんとかしないといけないとも思う。働く人の名誉というか立場というか地位というかそういったものが低く見られていると思う。それはデフレで消費者有利(需要<供給)の時代がこんなにも長く続いていることもあるけど、そもそも雇用者がカネを払って使ってやってるって気風があるからだと思う。お殿様がたくさんいるイメージ。本来は主従関係じゃなくて対等な関係のはずなんだけどカネの力でねじ曲がってる。それはなんとかしなくちゃならないのは、お子さんがいる方はより考えなくちてはならないんじゃないかなと思う。これからますます何色の血が通っているのかわからない企業が増えていくだろうから。以上おわり。

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