自衛隊の物品管理術に学ぶ、服の整理整頓

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僕が自衛隊時代に文字通り叩きこまれた物品管理術についてお話したいのです。

「統制」という言葉があります。統制とは概ね統一と同じ意味なんですが、具体的には「上着はロッカーの左からニ番目にかけろ」といった調子で全隊員にそれを実行させることです。

入隊直後の教育訓練ではとくにこの統制が厳しく、下着から上着や雨合羽、半長靴(黒のブーツ)に至るまで全て位置が定められます。それに従わない隊員が見つかれば、即お仕置きだべぇ~てな具合です。

別に脅したいわけではなくてですね、断捨離など巷の整理整頓術を色々拝見すると、やはり自衛隊の物品管理の意識はレベルが高かったんだなと感じ、日常生活でも応用が効くのではないかと思ったのでした。

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そもそも「整理されている」とは?

これは僕の個人的な見解を含みますが、単に「見た目が整っている」状態をを「整理されている」状態とは考えていません。

記憶と現実が一致して初めて「整理されている」状態だと言えると思います。

例えば、どんな仕事をするにしろ、まず何処に何があるかを覚えると思います。何処に何があるかわからないと効率が悪いですから。それは私生活でも変わらないでしょう。

服の整理の前に脳内を整理しよう

自衛隊で物品管理の上で最も重要になるのは貸与リストです。「官品」と言って戦闘服だとか装備品だとかですね。これ、貸与品でいずれは返さねばならないものでして、無くすと大目玉。部隊員総出で捜索に乗り出します。ハズカシイったらありゃしません。なので意識向上も兼ねて定期的にきちんと管理されているか隊長直々に確認作業が実施されます。その時にも貸与リストが無いと話が始まりません。つまり、隊員はリストに書かれた物品の位置、状態を全て管理することになります。

日常生活でそんなリストあるわけないですから、作りましょう。

まず、机に向かいましょう。床でもいいです。そこに紙を一枚用意します。あとは鉛筆orシャープペンシルです。記憶だけを頼りに思い出せるだけお持ちの服を箇条書きで書き出しましょう。その時クローゼットは見ちゃだめですよ。

書き上げましたら、まず書かれなかった服を捨てます。思い出せない服は管理できていないことが確実ですから処分です。あなたには荷が重すぎた服たちです。覚えてあげなかったあなたが悪いのです。潔く捨てましょう。

いざ、整頓実施

続いて、一度クローゼットの中やタンス、引き出し、洗濯前、投げっぱなしのをひっくるめて全ての被服(下着、アクセサリ含む)を一カ所に出して、収納スペースを空にします。そしてリストの上から順番にまた収めていきます。

着回しを考慮して構いませんが、リストは記憶されている順に書かれているはずです。上位であればあるほど思い入れが強い物品である可能性、最近使ったよく使っている物品である可能性が高いですから、その瞬間の感覚に踊らされると後々後悔するかも知れません。いずれにせよ、今あなたの回りはひっ散らかっているわけですからさっさと片しましょう。

ここで収め方にコツがあります。

  1. 収納スペースはインテリアとしてを決めてください。被服の量に合わせてはいけません。
  2. 被覆用の収納場所は一カ所です。分散させてはいけません。
  3. 全ての被服が見えるように配置して下さい。埋もれてはいけません。

では順番に解説します。

1、収納スペースについて

服の量に合わせて収納雑貨を買っていては際限がありません。物欲には果てが無いからです。

前項の脳内整理の段でも述べましたが、書きだしたリストがあなたの被服の持てる総量です。これを越える量をお持ちの場合、いかなるその場その場の手段を用いてもいずれは散らかる事になります。なぜなら、あなたの管理が行き届かなくなるからです。なにせ記憶にない品物なわけですから。

ですので、まず部屋の構造を鑑みて、収納スペース、その体積を決めて下さい。

2、収納は集約する

分散しても管理できれば問題ないのですが、結局、往々にして効率化は単純化と同意ですから、一カ所にするのが無難です。

他種物品と混同しないこともメリットに挙げられます。所謂、カテゴリーで分けている状態です。服は「ここかここ」となっているよりは「ここしかない」となっている方が単純ってわけです。

3、見えるように配置

自衛隊時代、戦闘服の位置は全員共通でした。その理由は有事の際、僕以外の人間が僕の荷作りをする可能性を考慮してのことです。そして、暗闇でも取り出せるように細かい位置まで指定されていました(教育隊では)。出動はスピードが命です。文字通り命に関わります。そこで手間取っていてはいけないのです。

さて、一般人はそんな緊迫感必要ありませんが、効率化を考える上で大変参考になります。「一目瞭然」という言葉どおりですね。例えば引き出しを開ければ全て見える状態ですと、探すのが容易です。すると、目的の物にたどり着くまでの時間が節約され効率化されているということです。

そして、これも脳内整理の観点から言及できます。僕の経験上の話ですが、人は概ね物事を平面的に記憶し表現しやすい。逆を言えば、立体的には記憶しづらく表現しづらい。

例えば、唐突にスケッチブックを手渡されて象の絵を描けと言われたら、ほとんどの方は平面的に描くのでは無いでしょうか?

あと、是非とも試してみてもらいたいのですが、パラパラ漫画を描く要領で立方体を絵で回転させて見てください。おそらく初めて描かれる方は一周させるのに小一時間、いや、もっと掛かるのではないでしょうか。上手く描こうと思うとなかなか難しい。

服を埋もれさせるとはまさに立体的に空間(収納スペース)を使ってみせようという挑戦なのです。

敢えて難しいことをする必要はありません。単純に簡単にしていきましょう。

さて、整理整頓出来たでしょうか?

被服を全て収納できた方はお疲れ様です。これを維持運営していきましょう。

しかし、物品は増えていくのが世の常です。今後入りきらなる事を考慮して、これから入りきらなかった方へのお話をご参考下さい。

入りきらなかった残念な方々へ

リストの上から収めて尚残った方々へ、残念ですが今外に出ている被服は全処分です。

無理に収めようとしないで下さい。この文章は上から優先順位をつけて記述しています。覆しては元の木阿弥です。

ですが、残った中にどうしても残したい物があったとしましょう。今収めた被服と交換して収めて下さい。はじき出された被服はもちろん処分です。

これは新しく服を買った時も同様です。つまり、買う前に何処に収納するかを決めてから購入するということです。もちろんあなたは今頭の中に何処に何があるか記憶しているわけですからショッピング中でも考えられるわけです。

総括and思い出話

少々長くなってしまって読む気が失せているかも知れませんがここまで読んでいただいた方には参考になったと自負しています。

僕も実践して、衣装ケース一つとアウター用にハンガーラックに吊るしているもので被服はまとまっています。そもそも服がユニフォーム化していて少なくなっていることもありますが。服にあまり興味がないので覚えられないんですよね。脳のリソースを割けないといいますか。やはり好奇心というのは不思議です。

思い出話として一つ。

自衛隊時代ですね、家政のことに関してはこの時に全て教えられたと思います。アイロンがけや靴磨き、整理整頓、掃除洗濯、共同生活に言葉遣いなどですね。

腕立て伏せとともに教えられたものですから、脳と言うより筋肉に叩きこまれているように思えます。シワの付いたTシャツとか見るとイッー! としますし。

アイロンがけとは呼ばずにプレスと呼称していました。スラックスなどに付ける縦の線ありますよね。あれもカミソリのように鋭く線を入れろとよく叱られました。

なぜアイロンをかけるかと言うと、プレスがけすると服がペラペラ一枚の布みたいになるんですね。すると、折りたたんでもかさばらない。かさばらないということは収納力が増す。収納力が増すということは個人で携行出来る物品が増えるということで、生き延びる力が増すんですね。強くなるということです。合理的なんですね。

長い年月運営されている組織ですから経験知が豊富でホント感心の毎日でした。

これからも思い出しましたら、随時記事にしていきたいと思います。

ご拝読ありがとうございました。

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