インターンシップってそんな意味だっけ?

シェアする

近年、カタカナ語が増えてとても困っている。

漢字だと字面でなんとなく意味が見てとれるのが、カタカナだとなんのこっちゃわからなくなる。ビジネス系の記事なんて読めたものではない。

僕が無知なだけなら僕が字引を開けばいいだけなのだが、定義が曖昧なのを利用して、というか無意識だろうけど、自分の好きなような解釈で使われていると困ってしまう。

広告

インターンシップとアルバイト

インターンを雇って失敗した話

すごく違和感があった。

ここで使われている”インターン”に触れると、僕が認識していたインターンシップと違う意味ような気がしてきて、わざわざグーグル先生とか色々お尋ねするはめになった。

特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間のこと[1]

Wikipediaより

学生に就業体験の機会を提供する制度。実際に企業に赴かせ、一定期間、職場体験をさせる。

コトバンクより

学業についている者が企業や官公庁などで自らの専攻や将来の職業選択に生かすため就業体験すること。

ニッポニカ・プラスより

会社などでの実習訓練期間。学生が在学中に自分の専攻に関連する企業に体験入社する制度。体験就業。

デジタル大辞泉より

これらは僕が認識していた意味と近く、とても安心した。

どれも学生を中心に意味を構成している点に注目してもらいたい。

インターンシップによって就職希望者と企業とのギャップが埋まることで、離職率の低下やその他etcがもたらす長期的な恩恵も確かに考えられるが、根本は学生のためのインターンシップなのだ。

インターンを雇って失敗した話で使われている”インターン”に感じた違和感は、インターンシップが極めて短期的な企業利益のために使われている点にある。

インターンは学生の将来のためにあるのであって、企業や経営者のためにインターンシップがあるのではない。あったとしても、3ヶ月以下のような短い期間で見いだされる利益では決してない。

意味として”インターン”の間違った使い方

以下引用はインターンを雇って失敗した話より。

(株)MTRLでは、今年の2月に大学生のインターンを雇いました。今回、本当にたくさんの方と面談して決めた2名。面談の際に語った”やる気”あるスピーチと成果物を見ながら「この子となら一緒に働ける」そう思って期待した。

そもそもタイトル自体がおかしい。インターンシップは雇うのではなく、迎える等が適切だろう。

一緒に働いてどうするのか? 一緒に働くのは”社員”なり”アルバイト”だ。実際、この2名には賃金が支払われているようなので、紛れもないアルバイトだ。ただの学生のアルバイトだ。

それをインターンシップだと言うから話がむちゃくちゃになる。

インターンシップなら、期待するのは経営者ではなく、学業の合間を縫って訪れているインターンシップ、学生側だろう。そこら辺を筆者は勘違いしているのか、わかってやっているのか定かではないが、こう続ける。

時給は1000円。無償のインターンが多く存在する中、設立半年の会社としては頑張った方だ。今回、狙いは2つあった。

・メディアへの若い意見の反映

・安定志向の社員への刺激

ここで言う「メディア」はおそらく筆者の経営するWebマガジンを指していると思われる。

2つの項目はどちらも労働力を自社にどういった形で利益転化させるかという要望でしかなく、インターンシップには不適だ。

他にも記事内の記述では、

”インターンに期待”、”完全に戦力外”、”頭数にカウントしていない”、”“稼ぐ”ためのアルバイトなら、インターンは不向き”、”やりたいことは何でもやらせて”、”決裁権は渡そう”、”企画を作らせてみよう”、”グイグイした姿勢を求めた”、”間に合わせようと努力する姿勢”、”最後までやらせてくださいという言葉”、”口だけであり行動が伴わなかった”、”インターンの仕事”、”仕事なんてたいして任せてもない”、”最初の1ヶ月、2ヶ月はこれらのことにも目をつぶった”、”現場を経験してもらう”、”アウトプットも生産性も0”、”発言も意見も0”、”仕事について怒った”、”有償のインターンについては一旦取りやめ”、

などがおかしな表現として挙げられるだろう。

“インターンの仕事”は特にひどい。チョキのグーと言われるぐらい意味がわからない。

つまり、これらはアルバイトや社員として見た場合にのみ成立する文であって、インターンシップでは成立しない。

そう考えれば、そもそも設立半年の企業に何が教えられるのかも定かではない上、教えを施す余裕があるのかさえも怪しい。

マネジメント以前の問題。

こういった安価で有能な労働力ほしさに”「やる気」があるように見せて、口だけで行動が伴わない”ようなインターンシップ先が1社でも減ることを願うばかりである。

本旨とはすこし外れるが言っておきたいことがある。

時給を支払うことを「頑張った方だ」と筆者は語るが、もし無償で労働をさせていたら労働基準法違反だ。記事内で学生にさせたことは労働としか思えないので、たとえ設立一秒でも会社は賃金を支払わなければならない。

記事の後の方に、”有償のインターンを止める”との記述があり、本当に心配になる。

そもそも言葉の使い方が乱暴すぎる。別段、チラシの裏の日記なのだからなんでも良いのだけれど、自身の会社で雇った人間の悪い点を挙げるという繊細な問題がはらむ内容を公開する以上、それなりの文章にしてほしい。

初心が垣間見える文章にはインターンシップの本来の精神が宿っていて、誠実に見えなくもない部分があって、たった2人の経験でインターンシップ全体を批判する、よくある「大きな主語」とも受け取れ、本当に”社長1年生の忘備録”なんだろうな、

と思ったのは杞憂だった。

こういうの見つけて辟易した。毟れるものは毟り尽くす、けつの毛も残さないと言ったところか。ついでと言っているが、”自分の記録を残しておきたい”なら日記でいいですからね。ついでじゃなくて、それが本音でしょ。

就労継続を希望していた学生を辞めさせた上、ウェブ上で醜態として晒した挙げ句、その理由がPV補強とは恐れ入りました。

こういうリーダーがひとりでも多く死んでくれれば、この国はだいぶマシになると思った。

追記

ネットの隅っこのこんな零細ブログなんかにコメントを頂けたので、是非返答したい。

有給があってもいいというより、有給にせざるを得ない場合が容易に想定されると言うべきか。

何かを人に教える際、”させる”のは非常に効率的な方法だ。企業が”させる”というとそれは概ね労働になるので、最低賃金以上を給与しないと労働基準法違反になってしまう。

実際、インターンシップという言葉にかこつけて学生を無償で働かせていることが問題になっている。

後半の「『成果』は義務でない」というのは同意。僕のこの記事で一貫した主題は「アルバイトや社員というべきところをインターンシップというから話がややこしい」というのに絞ったつもりだ。

ただ、名前公開の上顔出しまでさせた元部下をインターネットという開けた場で罵ったり蔑んだりするのは倫理上どうなのか? 名誉毀損に当たらないのか? といった問題は別にあるだろうが、今回はそれに触れなかった。

文才が無くてすまぬ……。

件の記事を見ると、確実に労働させている。

問題はそこではなくて、学生が職場について理解を深めることを目的としているのか、それとも未熟な学生に成果物を提供させるのが目的なのかを、僕は問題視している。件の記事の内容が”生徒の体験のためのインターンシップ”だったのか”事業のためのインターンシップ”だったのか。

本論では言及しなかったが、インターンシップとして募集したなら、学生に職場に堆積した経験や知識や慣習を、可能な範囲ある程度提供する義務を企業側は負うんじゃないか? とも僕は考えている。

広告